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[クローズアップ] アンジュルム ツアー2019春ファイナル 和田彩花卒業SP 輪廻転生 〜あるとき生まれた愛の提唱〜

[クローズアップ] アンジュルム ツアー輪廻転生ファイナル 和田彩花卒業SP

少し頭が整理できましたので、6/18武道館公演についての考えをまとめます。

僕の気持ち

センチメンタルになっていたわけではなく、ずっとじわじわ考えていました。長年の功労者が去るセレモニーを含む卒業公演としては、わりと特殊な構成だと思います。だからこそ、ライブの勢いのまま書くのではなく、それには時間を置くべきだと思いました。

つまりは、どういう魅せかたをしようとしていて、我々ファンが直感だけではなく最終的にどう思っていくのか、という所です。ああぁぁあぁぁぁ楽しかったけど寂しいな、だけではなく、これからのこと、今までのこと、と向き合うために。

あやちょソロ

あやちょ(和田さん)にフォーカスすると、前回に触れた 「帰りたくないな。」  が初披露、これはいわゆるおセンチな半ソロ曲です。そのあとは、ソロとしてはメドレー内の「シューティングスター」とアンコール明けの「ぁまのじゃく」が有りました。

これだけと言えばこれだけです。MCを含めて、じつは卒業の感じをぐいぐい押しつけてはいません。メドレーについては、これは加入の世代ごとにスマイレージ曲を回顧する、というものです。輪廻転生を表すために、最新の7期とあやちょの3人から始まり、期が古くなっていき、シューティングスターでのソロの締めです。

このシューティングスターについては、ずっと昔から彼女が好きだと言っていた曲で、都度に歌ってきています。もちろん最終公演でもどこかで使ってくるだろう、というのは予想できました。僕はアンコール明けだと思っていたので、ここで出すのか、という不意打ちでした。それは僕だけではなかったろうと思います。しっかり見ておかないと、、見ている側は急に引き込まれます。

リフト

そのあと続けて、人生の分岐点として、おのおのの進む道の変化をストレートな歌詞に乗せた、「交差点」です。ここでは、武道館の中央まで競り延びた花道、この正方形の空間が突如、高々とリフトによりせり上がります。リフトによる演出は過去にありましたので予想の範囲内ですが、想像を遙かに超えた動きをしました。

中央に立ったあやちょが、武道館の本当の意味での中央まで高々と上がります。ほんと、神が降臨してしまい、下々の者をやさしく見下ろしているかのようです。そのあと、空いた丸い穴を囲む部分、ドーナツ状にくり抜かれた所に乗っている11人が、あやちょを追いかけるように、同じ高さまで上がります。

実は僕、これだけのド派手な演出がわかりやすく目の前で行われていながら、リフトアップされていることをはっきり認識したのは、11人が上がり始めた頃からです。それだけ違和感がなく、彼女たちの気持ちが等身大の姿により表現されていたからだと思います。

私は上を目指しぐんぐん登ってきた、するすると自然に見えるようにしなやかに。そのあと、もうこれ以上は登れない、とひとりで進むことにした。そんなあなたをずっと私たちは見てついてきた。その意思を継ぎ、同じようなこころざしと魅せかたに追いつくのだ。

そう、私たちは一つ。それぞれの個性はまるで違うけれど、同じ輪っかの中で呼吸をして、同じように全員でいつも夢を見ている。ここまでの高さまで、また改めて最初からやり直し、皆で一緒に登っていくのだ。

それが、機械的なリフトアップにより、余すところなくマッチして表現されていました。輪っかはくるると回っていました。この星や惑星がいつも廻っているように、止まることなく毎日そして毎秒、ずっとずっと共に世界を生きるのだというメッセージです。

ぁまのじゃくソロ

おそらくですが、何らかの強い力の働きによって、この曲をやることになったのだと思っています。デビュー曲には皆の思い入れがあるのですが、やらないわけには、だったのかなと。その歌い方は、舞台「スマイルファンタジー」のそれでした。回顧するポイントをずらし、自分の意思を乗せてきたと思っています。

「ぁまのじゃく」は、もしもあやちょが一般人で、ティーンというか中学生の頃に恋愛してたら、という想像と連想で つんく♂ さんが作った曲と思っています。素直に気持ちを伝えることがちょっと苦手な、ちょっとひねくれているけど気持ちは真っ直ぐな彼女の性格を、当時からズバリと見抜いていたのだなと思います。

なお、舞台「スマイルファンタジー」ではあえて、歌詞内の「斎藤先輩」女の子として描きます。オリジナルは、親の都合で引っ越しをするため逢えなくなってしまう片思いの男の子、その部活の先輩、いつも仲良くふざけている斎藤先輩、それは男の子です。

歌詞内の「試合」とはスポーツの部活に違いなく、まあ部活は男女が別です。試合に出るようなレギュラーですから、毎日遅くまで頑張って練習しています。仲の良い女子の先輩など居ない、そんなチャラくない。


なのですが舞台では、女子である斎藤先輩との仲が良いことに妬いている、という解釈をしました。ハロプロの舞台では、男性の俳優を原則として使わない(使えない)ので、あえてそのような亜流な解釈をすることで、面白く見せたのと思いますので、それ自体は何ら問題ありません。

ここでの歌はそれに寄せていたのだ、ということです。

旅立ちの春が来た

ツアー本編でのアンコール明けは、湘南乃風のSHOCK EYEさんが書いた、鉄板のタオル回し曲「夏将軍」でした。しかしこのファイナルでは、あえてそれを落としてまでも、春が終わったこの梅雨に、春がテーマの旅立ちの曲を使いました。




夏将軍は、時代劇風のイントロ進行、ラップを中心とする掛け合い・ふざけあい、そしてタオル回しに一見すると騙されますが、これは他でもない、あやちょの心・芯の強さと、その功績を称えてアッパレ! と言いたいことがテーマの曲です。

特に海や夏っぽい印象は無いような彼女ですが、そうです、8月の頭に生まれています。そして、アイドル界のこれまでの常識を覆す発言や問いかけを続けて、いろいろな人々に共感され、さまざまな自由と共鳴を勝ち取ってきた、女戦士であり大将軍です。

旅立ちの春が来た、イメージ的に入れてきたかと思いきや、仕掛けがありました。スマイレージ曲なのであやちょの歌割りは多く、最後のリフも彼女です。なのですが、締めのフレーズを、二期メンバーの中西香菜さん(かななん)が急に歌いきりました。とんでもない不意打ち。

さらっとやりましたが、とてもとても大きな出来事です。旅立ちを送り出す曲をいつも通りに普通にやると思わせておいて、一つのフレーズの歌割りだけを変えることで、役割の譲渡、バトンタッチを音楽として表現してみせたのです。

今は、多くの歌割りがいったん空席になり、誰がやるんだろう? の時期です。ダンスの立ち位置も、調整が一気に進むでしょう。そうか、そうだよね、と思わせてくれました。未来が読めないのは、ワクワクもしますね。

まとめ

なんだかまとまっていない気もしますが、言いたいこと、分かったことはシンプルです。

  • 12人体制の集大成を、本ツアーとは違う切り口で見せることを最大目的とした
  • 派手な演出によって力尽くで解らせるのではなく、音楽内にメッセージを込めた
  • 明日からは新しい姿として進化を始めるのだ、という意思を込めた
今後、パフォーマンスとしてのパワーダウンは全く心配していませんが、集客としてはいったんやや下降する可能性は有るのかなと思います。そりゃあそうでしょう、最も人気が有った、絶対的なエースが居なくなったばっかりなのですから。

しかし武道館は何度も公演を成功させてきた場所、もはや彼女らのです。まずはこの器に戻って来て欲しいと思います。この秋、あるいは、来年には公演が出来て、また満員にできるよう、我々も気を抜かずに応援していきたいと思います。

アリーナ級やドーム級での単独公演という夢を、互いに持ち続けたいものですね。もちろん出来ますよ、いずれは。情熱なめんじゃねぇ!!